中学生になってから、学校でトイレへ行くことが恥ずかしくなった話

中学生になってから、私の中でトイレに行くという行為が変わり始めた。

小学生の頃は、まだよかった。
休み時間になれば友達と一緒に廊下に出て、その流れでトイレに立ち寄ることもあった。
誰かが「行こ」と言えば、何も考えずについていけた。

でも、中学生になると少しずつ空気が変わる。

小学校とは違い知らない人が多くなったこと、トイレで音消しする人が増え
トイレで用を足すのは同性でも恥ずかしいと思う人が増えてきた。
私はトイレに行くっていう行為が凄く恥ずかしく感じてきました。

そして――周りの目。

休み時間に友達から「ねえ、トイレ行かない?」
そう声をかけられても、なぜかすぐに頷けなくなった。
その一言に、私は一瞬だけ反応する。

(私も……)

そう思ったはずなのに、口は動かなかった。

「いってらっしゃい」

代わりに出たのは、何でもない返事。

友達が教室を出ていく。

その背中を見送りながら、私はふと考える。

(ああやって、普通に言えるのすごいな)

そんなことを考えてしまう。

あの日、車の中で聞いた母の言葉が、頭の奥で静かに残っていた。

“女の子なんだから、人前で言うことじゃない”

たったそれだけの一言が、時間をかけて、じわじわと形を変えていく。

最初はほんの小さな変化だった。

まわりに今からトイレに行って用を足すと思われるのが恥ずかしいこんな気持ちがどんどん強くなってくる。

中学校生活でトイレに行く回数が徐々に減っていった。

休み時間のたびにいってたのが2時間・3時間おきになり
午前中行かない日も増えてきて、卒業するころは1回も行かない日も週に1回は出てきました。

この頃は恥ずかしいけどまだトイレに行けた。

それでも、特に困ることはなかった。

むしろ――

うまくやれている気がしていた。

誰にも知られず、
誰にも見られず、
普通に過ごせている。

それが、正しいことのように思えていた。

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