新入社員のトイレ事情④ 酔いつぶれた後輩

歓迎会は、若手社員と新入社員を中心にした気軽な飲み会だった。

「チーム内の親睦を深めよう」

そんな名目で開かれた会だったけれど、参加しているのは同期や少し年上の先輩ばかり。

普段の業務みたいな堅い空気はなくて、みんなかなり羽目を外していた。

場所はクラフトビール専門店。

壁一面に並ぶボトルを見ながら、

「せっかくだし全種類制覇しようよ」

なんて話になっていた。

小さいグラスでシェアしながら、次々に違う種類を飲んでいく。

苦味の強いもの。
フルーツっぽい香りのもの。
アルコール度数が高いやつ。

楽しい空気だった。

だからこそ、飲みすぎる。

私は大学時代に一度お酒で失敗してから、

「お酒弱いので」

ということにしている。

飲み会でも最初の一杯くらいしか飲まないし、本当に気を許した相手か家でしか飲まない。

だからその日も、ソフトドリンクをチビチビ飲む程度でした。

でも、新入社員の子は違った。

最初は遠慮していたけれど、周りが楽しそうに飲むから、だんだんペースが上がっていく。

「これ飲みやすいですよ!」
「次これいきましょう!」

そんな感じで笑っていた。

ただ、中盤を過ぎた頃から少し危うかった。

顔がかなり赤い。

若干呂律も回ってないような感じで、相当酔ってる感じでした

そしてあるタイミングで、その子が「ちょっとお手洗い行ってきます」と席を立った。

でも――戻ってこない。

十分。十五分。さすがに長い。

遅いけど大丈夫かな?とみんなが心配しだす・

その日、女性は私とその子だけだった。

だから自然と、

「ちょっと様子見てきますね」

と私が席を立つ流れになった。

トイレの前まで行くと、中から小さくえずく音が聞こえた。

嫌な予感がする。

ドアを押すと、鍵は閉まっていなかった。

その子は便器にしゃがみ込んだまま吐いていた。

かなり苦しそうだった。

顔色も悪い。

一目見て、「これはもうダメだ」とわかる。

「大丈夫?」

背中をさすると、小さく「すみません……」と返ってくる。

まともに立てる状態じゃない。

私は席へ戻って事情を説明した。

「かなり酔っちゃってるので、私が先に連れて帰ります」

同性だし、普段から面倒を見ている。

周りも「それはしかたないね、悪いけどお願いします……!」という感じだった。

そうして私たちは、一足先に店を出ることになった。

相当体調悪いのか、電車で帰れるコンディションではない。

幸い、私の家まではタクシーで十五分くらい。

少し落ち着くまで店の外で休ませてから、タクシーを捕まえる。

移動中も、その子はかなり気持ち悪そうだった。

目を閉じたまま、小さく呼吸を繰り返している。

私は横で、

「もう少しだからね」

と声をかけながら、背中をさすっていた。

なんとか家まで到着して、肩を貸しながら部屋へ向かう。

その子はほとんど体重を預けるみたいな状態だった。

ようやく部屋に入った頃には、私もかなり疲れていた。

その子は玄関の前で、そのまま横になる。

靴も脱ぎきれず、ぐったりしていた。

「お水飲ませてあげなきゃ」

そう思いながら、私はふと別の感覚にも気づく。

――結構、トイレ行きたい。

今日は昼以降、一度も行っていなかった。

飲み会でも、周りに合わせて少しずつ飲み物を口にしていたし、移動も長かった。

でも介抱でバタバタしていて、ずっと後回しになっていた。

私は玄関で眠る新入社員を見下ろして、少し迷う。

先に水を持ってくるか。
それとも――

結局、私は先にトイレへ向かった。

寝ている間なら大丈夫。

そう思ったから。

トイレのドアを閉めて座った瞬間、全身から力が抜ける。

「あ……」

小さく息が漏れる。

思っていた以上に限界が近かった。

介抱することに集中してたので、急にしたくなった。

出し始めるとかなり長かった気がする。

体感では、一分くらい。

静かな部屋の中で、その音だけが続いていた。

私はすっきりしたと、ほっと息を吐く。

――やっと、家に帰ってトイレにいけた。

そんな安心感が、じわっと全身に広がっていった。

それと同時に新入社員の子大丈夫かな?と思い出し
トイレを出て様子を見に行く

相変わらず頭痛いし気持ち悪くて吐きそうですというので
肩を貸しながらトイレに向かう

トイレにつくと、飲ませた水をそのまま吐くような形で吐いてました。

続きます。

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